NHK朝の連続テレビドラマ「ひよっこ」のタイトルバックに使われた昭和レトロのミニュアで一躍有名になったミニチュア写真家田中達也氏の展覧会が横浜高島屋で今月29日まで開かれている。開店と同時に人の波が8階会場に押し寄せるほどの大盛況だ。田中さんは日常生活の中でなじみの野菜や文房具などの生活用品とミニチュア人形を巧みに組み合わせて作品化し、それを毎日インスタグラムで公開、海外にも多くのファンを持つ。
一つひとつの作品にはタイトルがついており、「見立ての世界」で独自の境地を拓いている。
バームクーヘンを虹に見立てた「お菓子な虹」
蚊取り線香をデートするカップルが散歩する緑道に「デートはキンチョーする」
皮をむいた梨を登山道に見立てた「マップル」といった具合だ。
この田中さんの手法に刮目する。
私のマーケティング手法と通じるものを感じるのだ。
私はビジネスの切り口について、それとはまったく別の社会現象の中にヒントを見つけ、それをマーケティング手法に見立てることで、経営者に提案することを仕事としてきた。
いわば私独自の「見立て」を「通訳する」わけだ。
そういう意味でこの展覧会は大変興味深いものだった。
斬新な発想、切り口の鋭さは一見の価値ありだ。