「一」は「コロナリバウンド一巡」。
昨年の日本経済は全体としてはおおむね良好だった。なんといってもコロナによる経済の低迷から脱した「リバウンド消費」が大きく寄与、企業業績が前年度比で伸びた例が目立った。しかし2024年はそれも一巡、次第に停滞色が強まると予想する。
「二」は「トランプ二回目の当選」。
2024年はロシア大統領選挙、台湾総統選挙、そして日本でも総選挙が予想される。選挙の年最大の注目は何といってもアメリカ大統領選挙だろう。本来なら現職が優勢のはずだが、バイデン大統領の高齢問題や、インフレによる支持率の低下もあってトランプ氏の返り咲きの可能性も大きい。もしトランプ氏が再選されれば、NATO脱退、ウクライナ支援打ち切りなど大きな政策変更も予想される。三期目は憲法上ありえないだけに、彼の思い切った施策が世界を混乱に陥れるのではないかという不安が広がる。
「三」はウクライナ・中東に続く三か所目の紛争拡大だ。
イランや台湾、あるいは、南シナ海、朝鮮半島と世界の紛争の火種は尽きない。背景に中国、ロシア、北朝鮮という専制国家の拡大志向があるだけに、トランプ政権となった場合アメリカの孤立主義が顕在化することにより世界各地で次なる紛争が引き起こされる心配がある。
「四」は株価四万円の可能性だ。
日経平均株価が1989年の38915円の最高値をいつ上回るかが大きな焦点だが、ひょっとしたら2024年はそれに挑戦するかもしれない。アメリカやヨーロッパ、さらには中国の景気が低迷し、上がり続けてきた金利が下がる期待がもたれてくる。不況下の株高が起きる下地は整いつつある。また中国の経済成長が見込めなくなり、アジア投資のベクトルが日本に向かう可能性があり、外国人投資家の日本株買い意欲が高まれば、日経平均株価は意外高となる可能性がある。
「五」はパリ五輪である。
2024年7月26日からパリで開かれるオリンピックは、前回の東京五輪が無観客と言うまさかの開催だっただけに、今度の五輪がコロナ禍や国際紛争を乗り越えて、無事成功を収められるかが注目される。
2024年の経済を占うポイントは、ズバリ「一、二、三、四、五」という五つの数字である。