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夏が来れば思い出す

オリンピックが終わりスポーツ観戦は高校野球が中心になっている。

NHKのアナウンサーは入局すると地方に赴任し必須業務として高校野球の中継をやらされる。将来スポーツで身を立てるかはともかく、人が足りない地方では業務の一環として実況をした経験を多くのアナウンサーは持っている。近年は女性の採用も増えたので女性アナウンサーの実況も珍しくなくなった。入局後東京の研修で神宮球場に行き全員がベテランアナに指導をしてもらう。なんとかボールを追うことはできるようになっても、問題は野球の細かいルールや作戦まで知っているかである。自ら野球をしていたという人なら自然と身についているだろうが、ただしゃべる訓練をしただけという人だとやはり難しい。なにしろ実況は生放送だからその場で自分で即座に判断してしゃべらなければならない。誰かに教えてもらうわけにはいかないのだ。野球は国民的スポーツだから視聴者も目が肥えているからごまかしがきかない。とんちんかんなことを言えばすぐさま苦情電話が殺到する。

私は少年野球をしていたし、中学時代野球部だったから、ひと通りルールは知っていて助かった。東京に戻るまで地方局では８年間野球実況をして、県大会決勝から甲子園まで経験した。

将来スポーツアナを目指す若手にとって甲子園の実況は大きな目標だ。

球児と一緒に甲子園に燃えたあの頃を思い出す。