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西村晃の伝言板

2024-04-17

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「GS世代研究会」の誕生日

2011年4月18日。

東日本大震災からおよそ一か月後、原発事故、計画停電といった混乱のなかで

「GS世代研究会」が発足した。22の自治体と企業が東京六本木ヒルズのハリウッド化粧品の会議室に集結した。

「GS世代」とは私がその前年に出版した「『GS世代』攻略術」という本で使った造語でゴールデンシクスティーズ、すなわち「黄金の60代」のことである。

今から13年前の当時戦後のベビーブーム世代は続々定年を迎えていた。これまでは仕事一途だった人も子育ても終わり、退職金をもらい、何よりこれからは十分な時間があるので新たな消費行動に出る、この「黄金の60代」を狙うビジネスを考えよう、そしてやがて彼らが70代になり、消費が衰えてくるころ、日本経済は縮小に向かう、その時に備えよう、と言うのが「GS世代研究会」の発足の趣旨だった。

その後賛同するメンバーは大きく増え400を超える自治体、大企業、中小企業が集まる組織へと発展した。シンポジウムやテーマ別の研究会を開催する傍ら、シニア向けイベントを開発したり、中高年富裕層向けの通販などの試みも行った。

残念ながら全国的に広がったウォーキングイベント「歩き愛です(あるきめです)」はコロナで開催が難しくなったり、戸別訪問してカタログをわたす販売も三密を避ける時流では継続が難しくなるなど大きな活動は途絶えてしまった。

現在は「GS世代研究会」の事業会社「グッドセレクト」(これもGSが略称)が、全国の会員企業や自治体の商品を東京の百貨店や大規模な道の駅に紹介して販路を広げる取り組みを継続している。

「GS世代研究会」発足から13年の誕生日を迎えた。

この間「黄金の60代」は70代になった。戦後のベビーブーム世代はほぼすべて後期高齢者である。人口減少以上に後期高齢者の増加により消費市場は大きく縮小しつつある。しかしながら日本全体で大きな資産を持つのはこの70代以上であることも事実、おそらくあと10年すると、今度は団塊ジュニア層の「相続需要」が発生する。

こうした消費スタイルの変化についての研究はいまなお課題である。

まだ「GS世代研究会」の看板を下ろすわけにはいかない。