【西村晃の大繁盛の法則】 企業塾 - 顧客満足度No.1


西村晃の伝言板

2023-05-10

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続 人工知能とどう付き合うか

私の糖尿病の主治医はもう80代に手が届こうとしている。大きな病院を定年になり、今は診療所で週に数日勤務している。私はふた月に一度この先生に会うために新幹線で出かけてゆく。お付き合いが始まりすでに四半世紀、途中紹介状を書いてもらい他の病院に替えたこともあったが、やはりこの先生のもとに戻っている。糖尿病だから、血糖値を測り飲み薬を処方してもらうのが通常の診療で、手術などをするわけでもない。家の近所の医者にかかってもそれほど大きな支障があるとも正直思えない。しかしそれでも私はホテルに泊まりこの先生に会いに行く。そう、会いに行くのだ。二か月の間の行動の変化や体調の変化を報告しする。それが私自身の安心感につながる。先生も私の仕事を知り、著作を読み、コロナ後仕事が急増していることを心配している。人工知能の時代になり、診療行為に近いことも人工知能が果たす時代も遠くはないかもしれない。しかし人工知能とチャットのやり取りをすることで、私の心の平穏が保てるとは思わない。先生の笑顔を見て親身になって話を聞いてもらうことこそ何より患者の心の支えになると私は思う。小さな診療所に中高年の患者が列をなしている。この先生を頼っている患者は私だけではないようだ。

「考える葦」が「考えてもらう道具」とどう付き合うか、その答を人工知能に教えてもらうわけにもいくまい。