【西村晃の大繁盛の法則】 企業塾 - 顧客満足度No.1


西村晃の伝言板

2023-05-10

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人工知能とどう付き合うか

最近人工知能の話を聞かない日はない。日進月歩どころか「日進週歩」だ。先日弁護士から「仕事を奪われかねない」という危機感を聞いた。「アメリカではすでに法廷で人工知能が弁護活動をしています。法律や判例を頭に入れる能力は人間ではかなわない。過失や証拠を見つける能力は歯が立たない」。また税理士からも不安の声があがる。「税理士の仕事のうち大半は、人工知能で処理できます。行政書士、弁理士、司法書士も含めて『士(さむらい)』はみな討ち死にするでしょう」。いちばん生き残れそうな医師の仕事さえ、手術はやがて人工知能搭載ロボットができるようになるかもしれないし、日々の問診や処方箋作成は人工知能のチャット機能で用が足りるという時代が来るだろう。

トラックの運転手をはじめドライバーの人手不足問題が深刻化しているが、人工知能搭載の自動運転が現実になれば、一転して運転手が仕事を失う問題に直面するはずだ。運転の仕事で食べている人の数は膨大だ。タクシーやバスなども含めて運転の仕事が機械に置き換えられると、逆に失業問題は深刻になるかもしれない。

銀行の接客なども人工知能に置き換わる。三菱UFJフィナンシャル・グループは人工知能を使った対話型ソフト「チャットGPT」を今年の夏までに社内で導入するという。このニュースを私は人工知能による音声ニュースで聞いた。銀行に融資の相談に行くと、人工知能が判断する時代が来る。今後は銀行や保険会社の採用数は大幅に減るだろう。ネットが職場環境や企業の栄枯盛衰に大きく影響を与えたが、人工知能の広がりはさらに多くの人の職場に影響を与えそうだ。

小説なども人工知能が執筆したほうがおもしろそうだし、まして限られた字数で表現する俳句や短歌などの文芸ジャンルは成立しなくなるかもしれない。囲碁や将棋も人間がやっているからミスもあったり心理的駆け引きもあったが、あまりにも理詰めの棋譜では面白みがなくなっていくような気もする。大学のレポートも卒論も、就職のエントリーシートも・・・・。人工知能作成の文章を見抜く人工知能との戦いもすでに始まっている。便利な世の中は、ため息とともにやってくる.



    続く