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西村晃の伝言板

2022-07-30

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新幹線の光と影

北陸新幹線が金沢から福井を経て敦賀まで延伸されるのが2024年春に迫っている。福井駅の新幹線の高架ホームなどの施設はかなり出来上がっている。駅には開業を待ちわびるポスターが貼られ、また福井駅周辺では次々に大規模開発が進められている。

金沢が新幹線開業後、ホテルが林立し観光ブームになったのを横目で見ているから「次はうちの番」という思いも強いはずだ。

確かに金沢はコロナの影響があるとはいえ依然勢いを保っている。ただ金沢はもともと観光資源に恵まれた土地柄で、同じことを福井や敦賀が期待するのはやや無理があると思う。

全国のこれまでを見回してみても長野や青森、函館、あるいは八代や鹿児島に新幹線が通った時のことを考えてみても観光ブームはせいぜい一年というのが常識だ。むしろストロー効果で地元の消費が大都市に流出するほうが問題となる例が多い。

東京で新幹線福井開業を待ちわびている人がどれだけいるだろうか。

逆に新幹線が通れば今まで以上に金沢や東京が近くなると考えている福井の人がどれだけいるか考えてみればわかる。

とはいえ新幹線開通のメリットは観光だけではない。

新幹線は社長を運ぶのだ。

社長が日帰りできるエリアに事業所を作りたいと考える例は多い。長期的に見れば観光よりも企業誘致に効果があるのが新幹線だと思う。テレワークの時代であるだけにオフィスというより工場誘致に新幹線は効果があるはずだ。