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<オリンピック>

休日の午前中。
犬を連れたお客さんが次々に訪れる。
関東最大級の2200平米の売り場を持つペット専門店「ユア・ぺティア」埼玉県新座店。
トリミングは予約でいっぱい、また飼い主と愛犬が一緒に学ぶ「しつけ教室」もここの売り物だ。
犬の月齢に合わせて3クラス、コミュニケーションの取り方などを学ぶ。
このペット店を展開しているのは首都圏に店舗展開している中堅スーパーの「オリンピック」。
「ユア・ペティア新座店」は同社が展開するショッピングセンターの中にある直営店である。
「オリンピック」は、隣接地に動物病院も経営、「しつけ教室」に来た犬には健康診断を料金のなかに含めたり、トリマーが犬の体調異変に気が付いた場合、飼い主に診察を勧めるなど病院との連携にも力を入れる。

飼い主と一緒にしつけをおしえる教室


古屋 直隆 執行役員

「郊外の住宅地に位置するこのショッピングセンターの中心顧客は若いファミリーとその両親を含めた親子三世代。
大型ペット店はショッピングセンターの集客に力を発揮しています」
古屋直隆執行役員・経営企画室長はこう説明する。

東京オリンピックを2年後に控えた1962年。
友愛とチャレンジという「オリンピック精神」を社の理念に、「オリンピック」1号店が東京立川に誕生する。
「生活用品や家電などの耐久消費財を低価格で販売するディスカウントストア、食品を扱うスーパーマーケットを組み合わせた「ハイパーマーケット」という業態を伸ばしてきました」
(古屋さん)

高度成長を追い風に順調に売り上げを伸ばしてきた「オリンピック」だが、バブル崩壊後売り上げは減少し始める。
「ピークの1600億円からいまは大きく減少しています。
不景気、デフレはもちろん、売り場づくりや商品構成が時代に合わなくなってきました。
かつて家電が主力商品でしたが、白物家電にいたってはもうほとんど置いていません。
家電量販店台頭などの変化を受けて、今後どこに存在基盤を見出してゆくのか大きな岐路に差し掛かっています」

横浜市鶴見区に2年前にオープンした鶴見中央店。
売り場面積4600平米、1階は「おうちDEPO」と名付けたDIYの店、2階には靴の専門店「シューズフォレスト」、ペット専門店「ユア・ペティア」、ホームファッションの「ホームラボ」という三種類の専門分野の直営店を壁際に配置、それらのジャンルに入らない商品群を置くディスカウントストアが中央を占める。

「自転車の専門店を加えた5つの専門店と、そこに入らないものを扱うディスカウントストアに再編成することで再スタートを切ろうと考えています。
それぞれの店は単独の店として独立も視野に入れています」と古屋さん。
この建物から数百メートル離れたところに自転車専門店「サイクル オリンピック」は独自店舗だ。

この鶴見中央店の特徴はなんといっても、「おうちDEPO」である。
ここだけ7時開店、プロの業者が工事現場に行く前に仕入れに来る。
DIY用品だからシニアの個人客も多く、店頭で網戸の張替えなどの講習も行い、運搬用のトラックも貸出す。
そういえば自転車店でも部品を自分で選んで組み立てられるカスタマイズ自転車が高額だが売れていた。

これまでのディスカウントストアは、いろいろあるけれど、ほしいものがないという中途半端な商品構成が指摘されてきた。
圧倒的な品ぞろえは趣味嗜好に応えることにつながるから、時間とお金にゆとりがあるシニアが主要顧客になることは間違いない。
新しい業態への挑戦である。

鶴見中央店
資材購入の場合トラックも貸し出す

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