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<らでぃっしゅぼーや>

東京板橋区新河岸。
埼玉との境を接する荒川のすぐ近く、このあたりは物流センターが多い。
有機野菜と無添加食品の宅配会社「らでぃっしゅぼーや」の首都圏センターもこの地にある。
全国の契約世帯およそ12万戸に個別宅配を行っているが、このセンターはそのうち東京都内と近郊3万5千世帯の配送拠点だ。
「契約は30代40代の家庭が多いですが、金額では『GS世代』の家庭が大きくなります」
小関純副社長はこう語る。

らでっしゅぼーや首都圏センター
全国から集まる有機栽培の野菜

午前0時から野菜の仕分け作業が始まる。
スタッフが段ボール箱に野菜をチェックしながら詰めてゆく。
各家庭に運ぶのは専用のトラック。
ドライバーがその日の配達コースを考えながら次々と積みこむ。
湯澤基さんは「お届けした時のお客様の笑顔がとても励みになります。
今日は埼玉県の鴻巣市です」と、運転席に乗り込んだ。

一つ一つ手作業で詰め込む

「価格は一般のスーパーより3割くらい高め、それだけに安心安全という私たちの理念をご理解いただくお客様に買っていただいています。
今後もそこは絶対にぶれてはいけないと肝に銘じています」
と小関副社長。

生産が難しい有機野菜だけに工夫がある。
契約世帯への宅配品目を固定しない、のだ。
「全世帯に同じ種類の野菜を同じ数だけ届けることは困難なので、段ボール箱にバラエティーを持たせて詰め込む『ぱれっと』を主力商品としています。
生産者とあらかじめ契約した農産物を全量買いとる仕組みをお客様にもご理解いただいています」
(小関副社長)

同じ配達日に小松菜が届く家庭もあれば、ホウレンソウだったり、受け取る側から見れば何が出てくるかわからない「福袋」のようなものだ。
生産者側の都合を聞いてくれる顧客だからこそ成り立つ。
顧客との信頼関係こそ「らでぃっしゅぼーや」の最大の強みだ。

「ぱれっと」の中はいわば「福袋」

2012年、NTTドコモは「らでぃっしゅぼーや」の株を取得、子会社化した。
全国2400余りのドコモショップでは、いま「らでぃっしゅぼーや」の販促活動も行われている。
「『らでぃっしゅセレクション』という頒布会形式で野菜や食料品を買っていただく販売を始めました。
携帯電話の用事で来店されたお客様に、ドコモレディが『らでぃつしゅぼーや』をご紹介しています」
こう話すのは大島直樹取締役だ。
「これまで『らでぃっしゅぼーや』は都市部に契約者が集中していましたが、地方都市でも認知度が高まっています」

それにしても携帯電話の会社がなぜ有機野菜の宅配会社に目をつけたのか。
「すでに大きなビジネスになっているスーパーやコンビニと提携しても意味がない。
新しいビジネスを作り出そうと考えた末に『らでぃっしゅぼーや』を選びました」
小関純副社長はこう話す。

「ドコモはスマートライフを提唱し、携帯やスマ-トフォンをプラットフォームにした新しい暮らしを提案しています。
モバイルツールとリアルビジネスを組み合わせることでどんな新しい価値を生むのか、そこにあらたなビジネスチャンスがあります。
リアルな市場を作りだすことで、通信料金に頼らない新しい収入を確保したい。
その食の領域に『らでぃっしゅぼーや』を位置づけました。
有機・低農薬野菜を供給する『らでぃっしゅぼーや』の持つ安心・安全という価値は、ドコモと親和性が高いと思っています」

ドコモとの相乗効果が期待される

「らでぃっしゅぼーや」の契約世帯には、二週間先に届ける商品を選ぶためカタログが届けられている。
「パソコンやスマートフォンをつかった注文に置き換えてゆくことも可能ですが、当面はカタログも併存させます。
『GS世代』を中心とする中高年にどんなアプローチが良いか考える必要があります。
配送スタッフから『今回は台風で見かけはよくないですが、味はおいしいですよ』などと話しかけられることが嬉しい、といった声を大切にしたいと思います」

リアルとモバイルのはざまで、新しいくらし提案の模索が今日も続く。

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