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<BDS>

日本最大ということはおそらく世界最大の二輪車のオークションが毎週千葉県柏市で行われていることをご存じだろうか。
国内で流通している中古バイクのおよそ4割にあたる年間20万台弱がここで落札される。
3万7千坪という広大な土地には、オークション会場の建屋とともに5.000台の出品二輪車を展示するスペースなどがある。

千葉県柏市にあるオークション会場
1分に2台以上のペースで落札される


政近 直人 副社長

「当社はこの柏と大阪、福岡の3会場で二輪車販売店の会員を対象にしたオークションを行っています。
二輪車だけでなく、オートバイ部品、自転車、パソコンと取り扱い分野を広げてきました。
ここでのセリには最新鋭のシステムでつながる全国の会員がいるのです」
こう語るのはこのオークションを運営する「ビーディーエス」の
政近直人副社長だ。

「日本では二輪車の需要が減り、新車は年間42万台余りの販売にとどまっていますが中古市場のほうはその1.5倍くらいの規模があります。
郵便や新聞配達に使われる実用車はこの市場に出てきませんから、中古市場の主役はスポーツ車、すなわち趣味で乗る二輪車ということになります。
そしてその買い手の中心は『GS世代』なのです」
(政近さん)

高額なビンテージ・バイクや大排気量スポーツ車だけに「ビーディーエス」としてもまず出品車の品質や状態を見定めてもらう仕組みに気を使う。
「オークション会場に来て現物を確認してもらうのはもちろん、ネットで参加する会員のために『新兵器』を開発しました」
と政近さんは笑う。

自転車オークションも行われる
現物車を目で確かめられる


「動画で出品車の映像を流すのです。
エンジンを吹かした時の音をマイクで拾い、ネットで流します。
二輪車の性能を知る重要なカギはこの音にあります」
全国からネットでオークションに参加する会員は出品車をあらかじめこの動画によるデータ提供で確認しておき、セリに参加することになる。

動画でエンジン音までネットで確認できる


「ビーディーエス」という会社名は、バイクデータサービスの頭文字である。
まさに中古二輪車の個別データを会員に提供することでオークションは成り立っている。
「ネットで参加することもできるのにやはり全国からやってくる販売ディーラーが多いのはそれだけ顧客の人気動向などの情報をお互い交換し、皮膚感覚でビジネスを考える人が多いからです」
(政近さん)
今日もオークション会場では「GS世代」の人気商品の情報が交錯している。

中山 武司 会長

「ビーディーエス(バイクデータサービス)」は中山武司会長が、昭和58年(1983年)に創業した。
「大学卒業後三番目に入った会社が鈴木自動車工業(現スズキ)でした。
50年代二輪車は黄金時代でした。
それまで配達などに使う実用車中心の市場がファミリーバイクやスポーツ車など商品が多様化して中古市場が成熟すると感じていたのです」
(中山さん)

10年勤めてこの業界に人脈を築いた中山さんは、中古二輪車に関する相場が確立していない上に、その情報が乏しいことに目をつけて「バイクデータサービス」を創業、昭和59年に初めてのオークションを開く。
「当時はいわゆる手ゼリといって水産物などの市場と同じように人が相対でせり上がり、落札させていました。
その後食肉のセリを参考に機械による落札方式へと進化させました」
(中山さん)

80年代はこんなオークションだった
80年代は機械化されず手ゼリだった

その後光ファイバー、通信衛星そしてネット回線の導入とオークションのしくみは日進月歩、今日では出品バイクのエンジン音まで動画で提供し、全国から店に居ながらにしてオークションに参加できる仕組みを作り上げた。
「二輪車で磨いたオークションのノウハウをさらにほかの分野にも広めてきました。
当社ではバイク部品、パソコンなどOA機器、そして自転車と多種のオークションを日替わりで開いています」
(中山さん)

このうちパソコンは展示品や型落ちの新古品などがまとめて出品されることが多く、そのうち海外に出てゆくものも多いようだ。
また自転車はスポーツ車や電動アシスト自転車が中心で、高額商品が多いだけに今後中古市場の拡大を中山さんは予想している。

パソコンは落札後海外に行くケースも多い


「中古市場には出品物に付随する詳しい情報が不可欠です。
オークションをただ開催すればいいというのではなく、提供する情報量が雌雄を決します」
中山さんは、そのためにしてきた設備投資には間違いはなかったと強調する。
実用車中心から趣味の二輪車へ。
その最大顧客「GS世代」は、欲しいものがないといわれる難しい消費者だ。
自らも「GS世代」の中山さんのアンテナは今日も情報を求めて敏感に反応している。

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