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<オムロンヘルスケア>

2010年に合併により誕生した福岡県糸島市は、佐賀県と境を接する海岸部に位置する。
人口はおよそ10万人、都市部と比べると高齢化も進む。
医療費や介護費の増大の要因である生活習慣病の予防のために2年前から取り入れている施策が、「市民に歩数計を持ってもらうこと」だった。
応募した参加者およそ300人に3か月間毎日歩数計を装着してもらい、データを転送して成績優秀者を表彰、ウォーキングイベントなどを繰り返すことで日々歩くことを生活習慣化し健康増進につなげようというものだ。
名付けて「めじゃーリーグ」、メタボ予防への効果を期待したネーミングだ。

たくさん歩いた人の成績が貼り出される
表彰がさらに励みになる


山新さん

歩数計の供給とデータ転送・集計を請け負ったのは、地元スポーツクラブと「オムロンヘルスケア」である。
「参加者の7割は50歳以上、平均歩数が一日9800歩、福岡県民の同年代の平均より5割は多く歩いている勘定です。
多い方は一日5万歩、月に150万歩という方もいました。
平均すると体重で1、2キロ減、腹囲で2センチ減少という効果が上がりました。
メタボ検診で引っかかった方が25人含まれていましたが、翌年の検診では改善した人が6人いました」
担当した同社営業戦略部の山新真人さんはこう説明する。

これまでおもに個人顧客を歩数計市場ととらえてきた「オムロンヘルスケア」では、近年このような自治体などへの販売に力を入れている。
郊外のショッピングセンターなどへの顧客の流出に悩む熊本県八代市の5つの商店街では、市の予算で購入した歩数計を市民300人に持ってもらい、商店街の店の中に歩数データを転送する通信トレイを設置することで来店を促すしくみを考案した。

この通信トレイを各所に設置、歩数計をもって登録に来る

「歩数計にはデータ保存に限度があるので2週間に一回は商店街にきてデータを転送することになります。
お店によっては一日平均3人以上来店者が増えたといった報告があります。
毎月の歩数ランキングを貼り出して発表、優秀者に商品券やプレゼントなどを渡して市民の関心を高めています。
参加者が次第に増え歩数計も追加発注をいただいています」
(山新さん)

ウォーキング大会参加者も増えた

八代商店街はこの「テクテク歩こう商店街」により「がんばる商店街30選」に選ばれ経済産業大臣賞を獲得した。
糸島でも八代でも時間にゆとりにある「GS世代」が中心になって歩数計を愛用している。
ここに「オムロンヘルスケア」の「GS世代」に向けた戦略がある。

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