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時代の流れに乗り遅れるな



<カインドウェア>

渡邉会長

タキシードや礼服メーカー「カインドウェア」は明治27年創業、2014年に120年を迎えた。
「創業者は秋田藩の御典医でしたが東京に出てきて古着商を始めました。
古着といっても着古した中古品ではなく既製服のなかった当時は、上流階級などが着用した衣料品が民間に払い下げられていました。
これからは洋服の時代と考え、その先駆けをなしたのです」
こう語るのは創業家4代目の渡邊喜雄会長だ。

百貨店に登場した業界初の礼服コーナー(1951)

「3代目は戦後、これからは庶民も礼節を重んじる必要があると略礼服を世界に先駆けて開発しました」(渡邊会長)
結婚式にも葬式にもネクタイを替えるだけで来ていける紳士用のダブルの略礼服は一世を風靡する。

大ヒットした6釦ダブル

とくに70年代最大のお得意さんが、「GS世代」だった。
「ベビーブーム世代が結婚ラッシュ、その時必要なものとしてフォーマルウェアが大ヒットしたのです。
テレビCMに加山雄三さんとともにこの世代に大人気だった田中邦衛さんを起用し、大きな話題となりました」(渡邉会長)
いまクルーズ用のタキシードやドレスアップスーツを提案する「カインドウェア」にとって「GS世代」は、この略礼服市場をもう一度掘り起こすことに他ならない。

ところで「カインドウェア」には、もう一つの顔がある。
「それは介護用品です。現在は年商の20%くらいですが、5年以内に被服部門の売り上げを上回ることを目標にしています」
と渡邉会長。
「創業95周年の時から5年かけて次の100年どんな会社にするかとグランドデザインを考えました。
いくつかの事業目標が上がりましたが、その中で焦点を絞ったのが『シルバー』でした。
当時私自身が親の介護をしていましたが、介護用品に魅力的なものが少ない。
早く高齢者になってあんな素敵なものを使ってみたいと思ってくれるような魅力的な介護用品の先駆者になろうと決めました」

百貨店の介護用品の売り場に並ぶ
カインドウェアの商品


中でも主力商品はステッキだ。
カラフルな柄物や折りたたみ式など豊富な品ぞろえを誇る。
そしてボタン一つで折りたためるステッキも開発中だ。
「高齢者だけでなく、2020年パラリンピックまでに整備される情報インフラを取り込み、IT技術を込めたモバイルメディアステッキの開発を目指します」
渡邊会長の目は次の100年を見据えていた。

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