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テーマ別企業紹介

大変身 ハウステンボスの背景



<ハウステンボス>

いまから10年前、私はこのテーマパークに失望していた。
場所は九州、ハウステンボス。
私を含めて数人の観客、あの広い園内に、である。
園内をめぐる周遊船も、どのアトラクションも利用者は私だけ。
数えるばかりしかいないスタッフ。
食事をする場所も、客は私一人。
アルバイトの女性二人の私語がこだまする。
掃除のおばさんがトイレの近くに座り込んで世間話、「あの人もクビって宣告されたっちゃね」
そんな話を、夢を求めに来たテーマパークで聞くと、お客は一気にしらける。
二度と来るまいと心に決めて早々に引き上げた。

5年ほど前、HISの澤田秀雄氏がそのハウステンボスの経営に乗り出すと発表された。
そして18年で初めて黒字達成というニュースに気になりだした。
世界的なガーデンショーをハウステンボスで開いていることを知り、客層ターゲットを「GS世代」に変えたなと直感、3年前の秋に見に行った。
変わった。変わっていたのだ。
ホテルのスタッフの親切さ。
食事の味は、「とびきり」と思うほどのおいしさ。
掃除のアルバイトにシャッターを押して欲しいと頼んだだけで、仕事を放り出しても尽くそうとする。

澤田秀雄氏自身が住民票を佐世保市に移し、早朝園内を掃除しているというから、スタッフたちも緊張感を持って仕事に励むわけだ。
「一度も黒字になっていなかったこの会社は成功体験がない。
目標はディズニーランドを越えるサービスを提供しよう。
黒字になったらボーナスを出します、ときわめて明確にしました」
と澤田さんは話す。

実は私も出席した「ワールドカップガーデニングショー」の前夜祭は、屋外パーティーを予定していたが開始目前に豪雨、テーブルセットは見るも無残になってしまった。

ワールドカップガーデニングショー
土砂降りで準備は無駄に

200人以上の正装のお客さんをすぐに美術館に雨宿りさせ、音楽を生演奏しドリンクでなごんでもらっている間に、スタッフはずぶぬれになって駆け回り、小一時間でホテルの宴会場に代わりの食事を用意、バスで移動させる鮮やかなサービスを見せてくれた。
士気が低かった頃にはおそらくできなかっただろう芸当に、不満を言うお客は一人もいなかった。

1時間後ホテルに移動して宴会は催された
突然の雨による変更を詫びる澤田社長

これこそ夢を売るテーマパークではないか。
変わった!ハウステンボス、それを納得したハプニングだった。

2014年決算も4年続きの黒字を達成したハウステンボスは、ゴールデンウィーク、そして5月半ばから100万本の薔薇が咲き誇る。
「狙いはズバリ『GS世代』です。
感動的な薔薇を是非ご覧になってください」

澤田さんは力を込めた。

5月は100万本の薔薇が咲き誇る
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