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テーマ別企業紹介

女子力で成長するニュービジネス



インブルーム

中山 真由美
整理収納サービス部長

「GS世代=ゴールデンシクスティーズ(黄金の60代)は高度成長時代にモノを次々に買っていますから、家の中は使わなくなったものであふれかえっています。
一方でまだ日本が貧しかった時代も知っている世代ですから、要らないから即捨てるという決断ができないんです」
東京青山にある「インブルーム」の中山真由美整理収納サービス部長はこう話す。
「ご夫婦だけのお宅にいまだにお子さんの学習机が置いてあるというケースはよくあります」
なるほど、これでは片づかないわけだ。
「インブルーム」はこうした整理収納のアドバイスを行うことを事業化した日本でも草分け的な企業である。

「家事代行業ではありません。
お宅にお邪魔して御本人に立ち会っていただき、一つ一つの品物の使用頻度などを伺いながら、捨てるもの、残すものを仕分けし、使い易く整理するお手伝いをします」
と中山さん。
整理下手な若い人、子育てや仕事の追われる女性が対象顧客かと思いきや、「GS世代」からの依頼が開業前の予想よりも多い。
「定年で生活が大きく変わります。
これまで通勤に使っていたスーツやビジネスバッグは不要。
ネクタイももうほとんど締めることはないのにタンスの中には何十本もぶら下がっている。
思い切って捨てればいいのに一人ではそれができない。
狭いスペース、散らかった部屋でこれから長い時間を過ごすのか、と途方に暮れている方から連絡をいただきます」(中山さん)

都内に住む佐藤太一さん(65)もそんな顧客の一人だった。
佐藤さんは3年前に定年を迎えた。
初めて中山さんが訪問したとき、佐藤さんは「ゴミ屋敷」と自宅を表現したという。
「捨てられないという典型でした。
とくに結婚式の引き出物でいただいたコーヒー茶碗セットや、何年も使ったことがないステレオなどが置いてあるというのがこの年齢のご家庭ではよくあります」(中山さん)

アドバイス前の顧客の書斎
アドバイス後はこうなる

インブルームではこうした依頼を受けると、収納アドバイザーとアシスタントの二人でご家庭を訪問する。
依頼人の話を聞きながら3人で作業を進めるのが基本だ。
一回の訪問で5時間くらいかける。
二人分のアドバイザー料が1時間9000円で、45000円。
それに交通費などを加えたおよそ5万円が目安となる。
「月に1回といった頻度で継続的に伺うお客様がほとんどです。
押し入れの中、あるいは流しの下などから、一度全部品物を撤去し、これ必要ですか?とお聞きすると必要ですとお答えになります。
ではこの5年間に使いましたか、とお聞きすると首を振る。
そうしたものを捨てたり、奥にしまい、日常使うものだけを使い易いところに置きなおしてゆきます」(中山さん)

「インブルーム」は、もともと女性向けの人材派遣業だ。
ある時、応募してきたある女性が、整理収納サービス事業のきっかけとなる。
「御主人が転勤族で引っ越し経験が多く、荷造りなどが手際よく上手だというので引っ越し業者にご紹介しました。
価格競争の厳しい業界で、その会社は整理収納を生活サポート事業として展開しようとしていました。
私自身全く片付けが苦手だったので、ある時彼女に私の家に来てもらい、整理してもらったところ、我が家があまりに変容したことに目が洗われました。
片づけられない人の悩み解消をビジネス化しようと、私も整理収納アドバイザーの資格をとり、整理収納サービス事業部をスタートしました」
中山さんはこう説明する。

事業化から5年、顧客実績は2000件を超えた。
なにもハイテク、デジタルばかりがニュービジネスではない。
身近な悩み事解決から鉱脈をあてることもある。

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