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変わる消費者意識に対応せよ


起震車による防災訓練

長谷工コーポレーション

東京駅から30分ほどの千葉市「検見川浜」に長谷工コーポレーションが設計・施工した「ブランシエラ検見川浜 マイム」というマンションは人気物件となり、自社内でも今後を考える戦略商品となった。
通勤に便利、83平米以上で2600万円台という価格もさることながら、顧客がもっとも関心を示したのが「マイム」だった。
「マイム」とはまもる、いかす、むすぶ、の頭文字を三つ合わせた造語だ。

東日本大震災後は、まず防災対策がしっかりできているマンションに対する評価が高まっているし、また省エネを考えて自然光や自然風をいかす設計や、家族構成やライフスタイルに合わせて間取りを変更できることも今日的なテーマで、人と空間・環境を心地よくむすぶと表現している。
これが「マイム」の考えだ。

自然の風をいかす工夫

安全に対する説明はこれまで以上に力が入る。
「断水時に雨水でも飲料水に変えられる『非常用飲料水生成システム』、またテントのような目隠し付きの『非常用マンホールトイレ』、食事を作ることができる『かまどスツール』の防災三点セットを防災倉庫に配備、自治会単位で防災訓練も行っていると説明しています」
販売を担当した長谷工アーベストの宮崎公昌さんはこう語った。

備蓄倉庫もウリ
自家発電機常備も配備

玄関ホールには通風と採光を確保する窓と、曇りガラスが埋め込まれた。
窓のサッシ部分を従来より大きく開けて採光に配慮するなど、昼間から照明器具や、エアコンに頼らない生活を提案している。
私が面白いと思ったのは、日頃は広くリビングを使っていても来客時には、ウォールドアという間仕切りを使って寝室などとして使える設計になっていることだ。
「若夫婦の家に、祖父母が頻繁にやってくるケースが多くなりました。
日頃は家族が集まる大きなリビングを仕切ることで寝室スペースが作れます」
(宮崎さん)
お客さんにウォールドアでの部屋の仕切りを実演すると、大変喜ぶという。

部屋の間仕切りの臨機応変

「モデルルームに来る時から親子三世代というパターンが多いのです。
資金面の援助もあり祖父母を含めた意向が購買を左右します。
長い間に家族構成も変わるので、フレキシブルに対応できるマンションが求められます。
「むすぶ」は今後大きなテーマです」
と宮崎さんは語る。

岡田 取締役

長谷工コーポレーション執行役員の岡田裕さんは、
「中高年が一戸建てからマンションに移るケースが増えているのは、マンションのコミュニティへの評価が高いから」と言う。
「防災訓練はもちろん日頃から管理組合が中心になって祭りやイベントを頻繁に行い、いざというとき助け合おうという風潮が強くなっています。
最近売り出した当社の東村山のマンションでは、141戸のうち60歳以上の購入者が3割程度になっています」

そう考えると、マンション販売後の管理会社の役割が大切だ。
「その通りです。マンション建設は10年くらい先から減少します。
長谷工グループはどう生き残るのか、まずサービス意識の高いマンション管理を充実させる。
耐震・修繕など老朽マンションの課題に応える。
リフォーム需要にもきめ細かく対応する。
マンション建設一本やりから、今後は住む方の生活に寄与する経営が求められます」
岡田さんはこう力を込めた。

中高年に満足のゆく住宅環境を提供できるか。
マンション業界も大きな転機にさしかかっている。

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