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テーマ別企業紹介

「GS世代」の市場を掘り下げる化粧品戦略


六本木ヒルズにあるハリウッド本社

ハリウッド化粧品

岡崎由香里さん


「アンチエイジングの化粧品をお顔の左半分だけつけて差し上げて、鏡でお顔の左右を見比べていただくんです。すると鏡の中の表情がみるみる変わってゆくのがはっきりとわかるんですね。その効果を目で確認された方は、まずお買い求めいただけます」
こう語るのはハリウッド化粧品のフィールドカウンセラー、岡崎由香里さんだ。
岡崎さんは全国の販売店にいる美容指導員や専門店のオーナーなどの研修をする傍ら、自らも店頭でお客さんに接してメイクも施す。

「中高年の方はお金がないわけではないと思いますが、近年は購買に慎重な方が増えました。『いい商品とはわかっているんだけれどね』とおっしゃりながらも、なかなか購入のスイッチを押されないんです。ただクリスマスとか年末に、今年も頑張ったからと自らのご褒美として満を持してお買い求めいただくというお客さまは多いんです」と言う。
「もう一つ中高年のお客さまの購買のキーワードは『ハレの日』です。とくに同窓会は化粧品購入の大きなきっかけです。同じ年齢の女性が久しぶりに集まるときに、若々しい自分を見せたいという心理は大きなポイントだと思います。同様にお子さんの結婚式や、お孫さんの入学式といった節目こそ日頃は堅い財布の紐が緩む瞬間です」(岡崎さん)

岡崎さんがこんな顧客情報に触れられるのも、お客さんと長く付き合い、打ち解けた人間関係を作っている何よりの証拠だろう。
実際中高年の顧客は一度自らの肌に触れることを許した人を容易には代えたがらない。
「とくに若い美容指導員と接すると、施術の技能以上に親くらいの年齢の中高年のお客様とどう接したらいいか悩んでいるという人が多いようです。お客様は十人十色、若い人はしつこく化粧品購入を勧められるとひいてしまいますし、逆に中高年の方にはある程度商品を紹介してほしいという要望を持たれている方も多いようです」(岡崎さん)

いち早く顧客の心理を見抜くにはやはり経験がものをいうのかもしれない。

牛山勝利 社長


ハリウッドは顧客対象を中高年に絞った化粧品メーカーである。

「化粧品はある程度年齢を重ねた人に喜ばれなければならない、というのが私の母、メイ牛山の口癖でした。まさに時代の流れは当社に追い風だと思います」
社長の牛山勝利さんはこう話す

ハリウッドはいま老人施設を対象にお年寄りに口紅を塗って差し上げる運動を展開している。
「まず老人施設の職員やボランティアの方々に口紅の差し方を当社の美容指導員がお教えします。そしてそうしたみなさんがお年寄りに接したときに、口紅を差して差し上げられようにする仕組みをつくろうとしています。こうすれば身近なお年寄りにいつでも何回でもさして差し上げられるので運動が広がりやすいと考えました」

三重県松阪市は、「高齢者生きがい創出事業」の一環としてハリウッドの協力を受け入れることになった。
本格的に始まったのは今年春からだが、早くも市内に定着した運動となっており、同様の事業への協力要請が他の自治体からもハリウッドに寄せられている。

口紅をつける技術

「口紅を差すことは、相手の唇に触れますから口腔ケアをはじめ健康状態を知ることにもつながります。近しいお年寄りの健康を気遣う愛情を育む気持ちが込められてこそこの運動は力強く広がると思います。私たちは『口紅の力』と呼んでこの運動を広げてゆきたいと思います」
牛山さんはこう力を込めた。

口紅を塗って差し上げることでお年寄りの健康状態も把握できる

直ぐにビジネスに結びつくかはともかく、地域のお年寄りの支持を広げる動きとして注目したい。

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