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環境、省エネ・・・・
配電盤メーカー、電気設備商社として時代に合わせた商品提案をする「電巧社」

羽田空港や新幹線品川駅にも近い東京港区に工場を持つ「電巧社」は、ビルなどに収める配電盤、受変電装置のメーカーであるとともに電気設備の商社でもある。
省エネや、環境関連の商品を大型ビルやショッピングセンターなどに提案する営業力に磨きをかける。

電巧社

「中学生のころから、ずっとマジックをやっていました。」
電巧社社長の中嶋乃武也さんは、私の前に座るや否やそんな話から始めた。
「例えば社史。取引先に分厚い電話帳のようなものを押し付けても読みたいと思う人なんていないでしょう。そこで当社が80周年で製作した社史は小型手帳サイズで、エッセンス凝縮のわずか8ページ。しかも一見すると見開き計4ページだけなのに、中を開ききるとあーら不思議、次のさらに2ページが出てくる仕掛けなんです。」
なるほど若い頃培ったマジックのセンスを応用すれば堅い社史もこんなに柔らかくなるのか。

電巧社はけっして「柔らかい会社」ではない。ビルや工場で使われる受変電、空調、エレベータ、照明、監視カメラなどの建設用電気設備を手始めに、モータ、インバータ、配電機器などの産業用電気部品、さらにはパソコンやコピー複合機などのIT関連機器に至るまで、カタイものばかりを幅広く扱っている。

環境機器のニーズが高まってきた昨今では、お客様のニーズを見極めたうえでの省エネ提案に力をいれていて、既存設備の高効率化を手始めに、LED照明や省エネポンプから太陽光発電システム、ゴミ処理プラントといったものまでを、提案・販売から工事まで一貫して手がけている。
「一口に省エネと言っても、その方策は大変に幅広く、お客様ではどこから手を付けていいのか分からないのが普通です。メーカーや専門商社では単一商品には詳しくても、優先順位までは付けにくい。しかし殆ど全ての省エネ機器をワンストップで提供できる当社であれば、お客様の立場で最も効果的なものからご提案できます。」中嶋さんは電巧社の強みをそう語った。

このように単一商品を中心に扱う専門商社が多いなか、東芝ビジネスパートナーの老舗でもある電巧社の商社部門は、大変に守備範囲が広い。

商社部門と並びもう一方の柱である製造部門は、東芝の配電盤を作る協力メーカーであり、大型ビルから空港、トンネルまでさまざまな施設で使われる受変電設備を作っている。
「受変電設備というのは電気をビル内に流す設備で、言わば心臓部です。普段は動いているのが当たり前ですが、いざ何かあった時の安全性が最重要。安かろう悪かろうでは済まない世界なのです。その点、重電メーカーの仕様で培った品質やそれを支える技術基準は当社の強みであり、誇りでもあります。」

中嶋さんは、創業者である祖父の時代からこだわり続けてきたモノ作りを、売上的にははるかに大きい商社部門とともに、電巧社の本業の二本柱と位置づけていて、実際に社員の半数は製造に携わっている。
本社ビルの半分以上を占める工場を見学した。
ビルの地下室や工場などで見かける大きなロッカーのような配電盤がずらりと並び、組み立てと配線の作業が行われていた。東京湾芝浦の海に臨む場末の地かもしれないが、都心港区でこれだけの面数の配電盤を製造している工場は他にないだろう。しかしこれは頻繁に行われる東芝との打ち合わせや、飛行機や新幹線に飛び乗っての緊急対応の利便性を考えるとベストなロケーション。お客様優先で考えると安い地域への移転はあり得ないらしい。

このように商社とメーカーの二つの顔を持つ電巧社の実際の顔は実に多彩で、さながら二十面相のようである。「そこにあの柔らか頭が求められているのです。」と中嶋社長は言う。
「お客様は常に悩み、困っています。一つひとつの商品を売るという発想ではなく、その注文の裏にある顧客ニーズを読んで提案を行わなければなりません。たとえば空調機という商品を求めるお客様がいたとします。冷暖房能力の改善のための購入かもしれませんが、最近はCO2削減や電気代節約といった環境と省エネルギーに主眼を置いて買い替えを検討するビルオーナー様が増えています。それにあった高効率空調機をお薦めするのはもちろんですが、空調機を売るだけで終わらさず、相手の関心にあった照明設備、太陽光発電、ポンプあるいはエレベーターまで提案できる幅のある資質が営業には求められます。だから弊社では「電気のコンシェルジュ」であることを目指しています。取り扱い領域が広いのですからそうした柔軟性があれば、お客様にとっての便利な総合窓口として、売上拡大も夢ではありません。」
中嶋社長はこれをソリューション営業と名付け、電巧社の付加価値とは何か?と従業員に問いかけている。理科だけでなく社会科の発想も大切ということだ。

「マジックは相手に喜んでもらうために、これでもかというほどの意外性を含むサービス精神が欠かせません。営業も基本は同じではないでしょうか。時代は、ロジックからマジックへ、なのだと思います。」と中嶋社長はニッコリ微笑んだ。

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