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小ロット印刷でニーズを開拓、「あさひ高速印刷」

大阪にある「あさひ高速印刷」は、製薬会社の新薬研究資料や大学の学会資料印刷や発表資料作成などに強味。
最近は「ニフティ」と共同で、ブログに記した日記を書籍に印刷・製本して究極の小ロットともいえる1冊からの作成にも対応する「ココログ出版」事業も展開、小ロットのカラー印刷という独自性を発揮している。

あさひ高速印刷

「ひとくちに印刷業といっても、顧客先によって求められるニーズが違います。うちは製薬会社や大学やメーカーに強い印刷会社として創業から60年近くやってきました」
こう語るのは大阪にある「あさひ高速印刷」の社長、岡達也さんだ。
「高速印刷」という社名の由来は「創業当初から印刷の前工程に当たるデザインや文字を編集するところも一貫して社内で手がけることで、短納期のメリットをお客様に感じてもらうため」ということである。
岡さんは3代目の39歳、2004年に社長である父親が亡くなり、サラリーマンを辞めて入社後3年目で急遽後継社長に就任した。
「当社の主要取引先である製薬会社からは、新薬開発のための資料の印刷、製本などの仕事が多く来ます。また大学からも研究論文などの作成依頼があります。発行部数はそれほど多くないけれどページ数は多い、多品種少ロットに対応できる印刷会社という評価をいただいてきました」
印刷会社を取り巻く環境の変化は急だ。
「あさひ高速印刷」もコンピュータ時代の到来をいち早く察知して対応を急いできた。
「現在当社の事業は3つに大きく分かれます。クロスメディア事業、情報処理・システム事業、そして印刷事業です」
たしかに自社カタログにも3つの事業紹介をこの順番で記載している。本業のはずの印刷事業が最後なのだ。
「印刷が本業というよりは、印刷も情報伝達の一つの手段と位置づけなおしたのです。クロスメディア事業では電子カタログのCD−ROM化やホームページ制作、電子ブック制作などを行うとともに顧客の依頼にもとづく販売促進の企画立案までを行います。またシステム開発案件としては、株式会社ニフティと共同で、ブログに記した日記を書籍に印刷・製本して究極の小ロットともいえる1冊からお届けする、「ココログ出版」という事業を展開しています。そして印刷事業ではカタログや小ロットのカラー印刷などうちの特性を生かせる仕事を提案していきたいと考えています」
岡さんは、印刷全体の仕事は減っても、小ロットの仕事は必ず今後広がるとみている。
「たとえばリタイアした人が、自分のサラリーマン人生を振り返り、あの時の『プロジェクトX』にどう関わったかを自分の勲章として記録に残したいと思うかもしれません。そんな30部程度の記録誌でも引き受けられる体制を作れば新たなニーズは無限にあるはずです。小回りの利く印刷会社として評価を高めていきたいと思います」
岡さん自身の「プロジェクトX」もまだ始まったばかりである。

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