いつも持ち歩いている歩数計が1万歩を超えることも珍しくない。 横浜市戸塚区にある「山口ホーム」の林祐子さんは、自ら制作した季刊誌と呼ぶチラシをもって住宅街を巡る。 ポスティングは5000軒を超える。 そのほとんどを林さんが一人で行っている。 「イベントの紹介や社内の様子に加え、地元の名所の案内なども書いています。 気軽に読んでいただけるといいなと思っています」
「山口ホーム」は横浜市戸塚区に本拠を置く。 母体は133年の伝統を持つ地元の木材商「山口木材」だ。 住宅建設やリフォームが業務の中心となる。 「山口ホームは創業30年、地元でこれまでにのべ3,000軒の住宅の建設やリフォームの仕事をしてきました。 住宅は地域密着の仕事ですから日頃からチラシや季刊誌のポスティングなどで小さなニーズを拾い集めることが大切です」 山口秀利社長はこう語る。
「山口ホーム」がある横浜市西部地域の開発は東京に近い東部地域よりやや遅れて始まった。 JR東戸塚駅が開業したのが40年前、横浜市営地下鉄が戸塚駅から湘南台駅まで延伸されて小田急線や相鉄線とつながったのが20年前のことだ。 「その後も湘南新宿ラインの開業や地元の工場の閉鎖によるマンション建設の急増で人口が増え続けています。 一番注目するのがブームの初期に引っ越してこられた方々のリフォーム需要です」 (山口さん) リフォームは、最初に購入した住宅メーカーやマンションメーカーに依頼するとは限らない。 「小さな修理などでは大手メーカーはなかなか動いてくれません。 電話一本ですぐに対応してくれる地元のリフォーム会社に一日の長があると思います」 (山口さん)
毎年夏には恒例の「夏休み木工教室」を開く。 「地域の人々の交流の中心になって活動することが大切だと思います。 ずいぶん前にポスティングしたチラシや季刊誌を大事に持っていて、工事の依頼に来て下さるようなお客様がたくさんいらっしゃいます。 地域密着の営業姿勢を今後も貫いていきたいと思います」 山口さんはにこやかに笑いながらこう語った。