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テーマ別企業紹介




<ネオスタンダード>

後藤光さん

「古物商」という呼び名は見るからに古めかしい印象をもつ。
廃品回収業、あるいは古本屋業、質流れ品販売といったものはこのジャンルにくくられる。
全国に60店余りを展開する「ネオスタンダード」は、創業15年。
これまでは関東地方を中心に中古品を中心にブランド品や高級時計、宝石などを買い取るビジネスを行ってきた。
この企業を買い取ったのが後藤光さんだ。
「これまでのビジネスモデルを更に進化させて、新しい時代に合った仕組みを構築しようと考えました」
(後藤さん)

全国に60店余り展開する買取店

「ネオスタンダード」が新しく考え出したビジネスは「遺産相続や、老人ホームなどへの転居の際の資産整理」である。

「高齢社会で注目が集まる生前整理・遺品整理の仕事です。
当社はこれまで買取専門店で培ってきた目利きを活かし、適正価格を算出して買い取りを行うことができます。
素人の方にとっては価値がないと思われるものでも、プロの鑑定眼で価格を割り出します。
一方で整理する品々にかかる廃棄費用を割り出し、買い取り商品の価格と相殺することになります」
(後藤さん)

家財道具を整理して、廃棄費用が上回るか、あるいは買い取り費用が上回るか、プラスとマイナスを計算して提示するわけだ。
これまでのビジネスは買うだけ、あるいは廃棄物を有償で引き取るだけというものが多かったが、両方の機能を提案するところにこの会社の強みと新しさがある。

「ネオスタンダード」のビジネスに注目したのが、リバースモーゲージを展開する金融機関や、資産運用を提案する証券会社だった。
リバースモーゲージとは、存命中に金融機関から生活資金を不動産を担保に借りて、死亡後にその不動産を引き取ってもらうという資産設計のことだ。
死亡後土地や家は金融機関の所有になるが、金融機関にしてみれば家財道具などを整理する必要があり、「ネオスタンダード」のようなビジネスモデルが必要になってくる。

また遺産整理などをテーマにした富裕層向けの証券会社の講演会でも後藤さんはこのところ講師を務めることが増えたという。
「各地で満員の盛況でこのテーマへの関心の高さが伺えます。
遺品整理業者の選び方など参考になった、人生に一回の事で備えあれば憂いなしだと思った、といった感想をいただいています」
(後藤さん)

金融機関が開くセミナーは熱心なシニア層で賑わう

高齢社会というトレンドをとらえてビジネスモデルを転換することで新しい成長のきっかけをつかむ。
閉塞市場というけれど、「すき間(ニッチ)」はたくさんある。
マスコミはこういうベンチャーの成長を「ニッチ産業」と報じるが、そこにはどこか「所詮はすき間でちっぽけなビジネス」という冷たい視線があるような気がする。
しかし、すき間というのは掘ってみれば実は意外に広いものなのだ。
ちっぽけと思っている人はその広さ深さに気が付いていない人なのではないだろうか。

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