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地方企業の「少量確実商法」



<プラム食品>

長井 社長

梅の本場紀州にある、その名も「プラム食品」と言う梅専門メーカーの存在を一般の消費者はあまり知らないかもしれない。
しかし大手飲料メーカーや菓子メーカーにとっては梅関連商品の黒子役として欠かすことのできない会社と、その技術力が高く評価されている。

「うちは梅干し以外の梅加工食品を専門に扱う唯一のメーカーです。
梅ワインに梅ゼリー、梅ジャムに梅ドレッシング、和菓子など自らもたくさんの最終商品をつくっていますが、大手メーカーの企画のお手伝いをすることで、実際は自社の10倍以上の売上げと関わっています」
社長の長井保夫さんはこう説明する。

梅酒からジュース、のし梅などまで梅素材を中心に多様な商品を生産する

「独自の缶飲料を作っても、流通コスト、宣伝力、資本力などどうしても地方企業は不利になります。
だから大手企業と正面から戦うのではなく、むしろ大手に協力することで共存共栄をはかる道を考えました。
うちがつくっている梅加工食品群は、実は『当社はこういうものがつくれますよ』と大手メーカーの開発担当者に伝えるパンフレットのようなものと位置づけています。
最終商品よりも加工技術を売るという発想なのです。
少量つくっているから利益もとれる。
大量生産、大量廉売になればありがたみがなくなります。
一人前になるまでがうちの仕事で、たとえば缶飲料の場合一本からの利益が3円を割れば、大手メーカーにまかせるべきです」

プラム食品は、こうして大手酒造メーカーやビール会社などに梅肉加工の技術ノウハウを提供し、梅酒や梅ワインを量産する縁の下の力持ちになった。

大手企業の要求に耐えうる生産技術を誇る

ただ、ここにきて少し異変が起きている。
50年前の創業商品、「プラムハニップ」という自社の梅ジュースが売れ始めたのだ。
「パッケージも味も昔のままなんです。
近年甘さを抑えた商品が業界の主流だったのですが、昔の甘さを求めるお客さんにかえって新鮮に感じていただけているようなのです」
(長井さん)

発売から50年目で売り上げ伸ばすプラムハニップ

客層は、やはり昔の味を懐かしむ「GS世代」ではないか、と長井さんは見る。
「大手企業から依頼を受けて開発している商品も概して好調、甘酒など「昔の味」ほど好調です」

現在の売れ筋を追い求めて広告宣伝費を大量投入、短命のヒットを狙う大手メーカーのコンビニ型ビジネス。
一方それとは一線を画し、あえて昔の味にこだわり50年商品を売り続ける地方企業の「少量確実商法」に縮小経済下での生き残りのヒントが見えてくる。

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