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インバウンドが未来につながる



<銀座マギー>

一期一会という。
60年前、異国ですれ違うように数分言葉を交わしただけの女性の名前。
これが会社名となり今日に至る。
こんなことが起こるから人生は面白い。
高級婦人服メーカー「銀座マギー」である。

銀座マギー本店

東京銀座で生地販売をしていた創業者の植松昭氏は、買い付けでイタリア・コモ湖を訪れ、湖畔にたたずむ一人の女性を見かけたとき、その美貌はもちろん素敵なパステルカラーの服のエレガントさに立ち尽くした。
「なんと素晴らしいんだ、よし俺は日本女性にもこんな素敵な服を提供するぞ」
昭和31年、こうして会社は始まった。

社名の由来は重要だ。
私が知るある病院はカタカナの病院名にこだわった。
電話帳を調べてその県で最初のカタカナ名になったため、そのインパクトで名前を覚えてもらえたという。
小売りサービス業の屋号、あるいはメーカーの商品名では当たり前の話だが、今後は医療サービス分野でもこうした発想は大切ではなかろうか。
「銀座マギー」はカタカナだけではなく「銀座」も社名に入っている。
これもブランドつくりには重要だった。

創業以来、優雅で洗練されたスタイルを追求した「ジャパネスク・ヨーロピアン・エレガンス」を提供、高感度、高品質の商品を持ち味としてきた。
「初期の頃売り上げが定着せず百貨店や駅ビルでも目立つ場所への出店ができませんでした。
しかしそれでも『お客さんに朝、昼、夕方違うマギーをお見せしよう、一日3回ディスプレイを交換しよう』と呼びかけてきました。
そうした努力はいつか実る、これが経営の根幹です」
植松伸一現社長はこう語る。

創業当時の「銀座マギー」

「銀座マギー」は正社員による直営店での販売、自社内工房でのデザイン、国内での生産にこだわってきた。
これにより社長の方針が会社の隅々まですぐに伝わり、上得意客の好みなどを把握した販売をする体制をつくってきた。

「銀座マギー」は自社デザイン国内生産にこだわる

東京銀座。
行き交う人のかなりの割合が外国人。
買い物袋を山ほど抱えている人も少なくない。
「銀座マギー」はその名のとおり銀座が発祥なだけに、外国人をターゲットにしたインバウンド対策にも先手を打ってきた。
「かなり早い時期から中国人の販売員を雇用し、POPなども中国語を用意してきました。
また日本人よりも明るくはっきりした色合いを好むお客様が多いので、それを意識した商品の取り揃えも行っています」
本店長の山野直樹さんはこう話す。

本店の外国人売上比率はすでに2割近いという。
「いわゆる爆買いは一段落した感じはありますが、もう外国人のお客様がいらっしゃるのは当たり前の風景です。
上海や香港などの女性エグゼクティブの方が年に何回もご来店されます。
人前に出るときに着るスーツなどを何着も買って行かれます」
(山野さん)

こうしたお客さんは、もともと生地販売からスタートした「銀座マギー」に、品質を求めてやってくるという。
「メイド イン ジャパンですか、と確認する外国人客が多いです、日本製の品質の良さで買い求める感覚は日本人ともはや変わりません」
(山野さん)

外国人の常連客が多い本店

「銀座マギー」はエレガントさを求める上質顧客をターゲットにし、女優や国会議員などにも上得意客が多い。
そうしたグレード感を求めて海を越えて顧客が来るということは、日本のアパレル産業の再生にも大きなヒントを示している。

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