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テーマ別企業紹介

東京北千住の水道工事と設備販売をする「安蒜(あんびる)設備工業所」「迅速な対応、丁寧な仕事」で高い評価。

安蒜設備工業所は三代続く下町の水道工事屋さん。
地域密着で地元に高い信用を築く。
その地元を大切にする経営の現場とは?

安蒜設備工業所

東京の下町北千住。
大型スーパーとともに地元の商店も軒を連ね、古くからの顧客をなじみにして活気を見せる。
近隣にマンションも増えて、新しい顧客も増えたとはいうものの、やはり昔から残る佇まいこそ下町の魅力である。

安蒜設備工業所はこんな下町で成長してきた。
終戦後間もない昭和21年12月、当時焼け野原だった東京の住宅復興の一助になろうと、現在の経営者安蒜篤信さんのおじいさんが水道局を退職し水道工事店を開業、以来三代にわたって事業を継承してきた。
ショールームを持っているわけではないが、地域で安定した支持を集めているのにはいくつか理由がある。
年に数回キャンペーンを行うが、これは商店街会館の普段使用していない1階を借りる。
子供たちに景品を配ったり、水回り商品を展示し体験をしてもらったりして集客する。
毎日店をあけるコストは吸収できないが、ボーナス時期などを狙ったこの集中的な販促で新規顧客の開拓とリピート顧客からの受注を行っている。
そうしたキャンペーンを利用してアンケートを取っている。

安蒜設備工業所に対する評価は「迅速な対応、丁寧な仕事」という点で大方一致する。
「商圏を足立区と隣接区に限定しているのは限られたマンパワーでありながら、素早く、きめ細かな対応を心がけているからです。トイレや風呂など水回りの故障はお客様にしてみれば一刻を争う『事件』なのです。そんなときに明日行きます、ではすまされません。いますぐ急行、が信頼を生み、次のビジネスに結びつきます」
安蒜篤信さんはこう語る。
実際最初は小さな修理から始まったお付き合いが、リフォームなどにつながるケースが多い。
お客にしてみれば小さな修理でいわば業者の品定めをしているわけだ。
言いかえれば、トイレやユニットバスを売るという発想ではなく、いかにサービスを売るかということが繁盛のポイントである。
「たしかにお客様にしてみれば安い買い物ではありません。住宅設備機器メーカーは大手で信頼のある商品でも、実際に取りつけてくれる業者がいいかげんな工事だったり、万が一故障した時のアフターサービスが悪ければ価値は半減してしまいます。当社は、まず会社、あるいはサービスする一人ひとりをまず信用していただき、それからお客様のご要望を踏まえてリフォームなどのご提案を行っています。
商品よりもまず自分を売ることが先です」

安蒜設備工業所では、リフォームなどを受注すると、大工工事、内装工事、配管工事等、各工事別に専門の職人が作業を進めてゆく。
「丁寧な仕事といえば当たり前に聞こえます。
しかし、奥が深いんですね。いくらこちらが丁寧な工事をしたと言っても、お客様が納得されなければ意味がありません。私たちのお客様は狭いエリアだけにお誉めいただければ評判が広がりますが、逆の場合は一気に顧客を失うことになりかねません。毎日が真剣勝負です」

安蒜さんはそう語り表情を引き締めた。

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