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日本の表玄関に成長、品川駅前のニーズを先取りする「Wビル」

交通至便、近年急発展の品川駅港南口前にある「Wビル」を経営する渡辺倉庫。
ビルの価値は建物同様に、そのインフラ整備にあるという。
防災・防犯はもちろん、働きやすさにもこだわるビルオーナー会社を取材。

渡辺倉庫株式会社

東京で近年急速に変わった場所の代表は品川駅の海側、港南口周辺だろう。
「いまから20年くらい前は国鉄清算事業団の所有する原っぱが広がっていました。品川駅前と言えば北側の高輪口のことで、港南口を連想する人はほとんどいなかったでしょう」

こう語るのは渡辺祥二さん。
渡辺さんは渡辺倉庫社長である。
会社名の通りもともとは倉庫業、
またガソリンなどを運搬するトレーラー車の会社も経営している。
そのトレーラーの車庫と倉庫が以前は品川駅の港南口駅前にあったが、車庫を川崎に移しその跡地に地上21階、地下2階の高層ビルを建設した。97年のことである。
「うちのビルができたころ超高層ビルは、まだNTTのビルがある程度でした。
しかしその後品川インターシティなどオフィスビル群が次々に立ち並び、朝の駅から出てくる人の流れはもう洪水の勢いです」

現在、品川駅港南口周辺のビジネス人口は15万人と推定され、大手町、新宿西口に次ぐ都内有数のオフィス集積地に変身した。
「とくにこの5年余り、東海道新幹線の品川駅が、山手線の駅などよりも港南口よりに作られ、利便性は格段に向上しましたね。羽田空港へは京急線で一本、成田空港へも成田エクスプレスで一本ですから、日本と世界を結ぶキーステーションの至近にうちのビルが位置することになりました」

渡辺さんのビル「Wビル」の中を案内してもらう。
エントランスは4階までの吹き抜け、低層階にはカフェテリア形式のレストランや居酒屋が入居、ここには外来者も入れる。
入居テナント企業のセキュリティは、各階ごとに行われている。
高層ビルの割には訪問客が少なく感じるのは、入居会社を数社に絞っているからだろう。現在は大手電機メーカーと外資系石油会社が大半のフロアを占めている。最初から、小さく間仕切りした賃貸は考えず、原則ワンフロア500坪単位の賃貸、最小単位でもその半分規模だ。
現在空いている500坪のフロアを案内してもらう。
机もなにもない空いたフロアは、運動会ができるほど広い。
窓からは東京タワー、レインボーブリッジ、そしてもちろん品川の高層ビル群が見渡せ、ここが東京の中枢地区であることを実感する。

「こちらをごらんください」
渡辺さんが北側の窓辺に誘った。
「品川とこの先の田町の二つの駅の間にJRの車両基地がありますが、近い将来ここが撤廃されその空き地にJRが高層ビル群を建設、新しい山手線と京浜東北線の駅をつくる計画があります。そうなれば、この品川、田町はいま以上のビジネス拠点になると考えられ、一大飛躍が予想されます」

渡辺さんとエレベーターで地下へ向かう。
防災管理室のモニターを見せてもらう。
24時間体制のビル管理の心臓部だ。
さらにもう一つ下の階に下りると巨大な空間に、貯水槽、配電盤、さらには自家発電機などが設置されている。
「ビルの建設費のざっと半分はこうしたインフラ整備の費用です。ここにどれだけ投資したかは表からは見えませんが、ビルの本当の価値を決めるものなのです」と渡辺さんは言う。
「Wビル」の場合、優良防火対象物認定を受けている。これは防火設備だけでなく避難訓練や自衛消防隊の活動なども審査対象になる。
「年に2回の避難訓練なども評価されました」
このビルの場合、大きなテナントに絞って入居してもらっていることでまとまりがよく、このことが自衛消防などにも有利な条件になっていることは間違いない。
「入居会社が絞られているので、クリスマスや正月などにイベントを開くなど規模の割にはまとまりがいいのも良い点かもしれません」と渡辺さんは言う。

伸びゆく東京の中枢ポイント、品川駅港南口。
世界へ、日本へ、アクセスしやすいこの土地にビルを建設した先見性がいま評価されている。

渡辺倉庫株式会社(Wビル)に関してのお問い合わせは
安田不動産株式会社(担当:資産営業部 古屋)まで
TEL:03−5259−0519