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北関東初の税理士法人化 その信用力のウラに秘められた「三た(さんた)の理念」とは?

宇都宮市にある「ウチノ税理士法人」は内野直忠税理士が一人の知り合いもいない場所で開業したものの、 いまや栃木県有数の規模の法人化された税理士集団に成長している。 その成長の秘密は、他の税理士とは競合しない独自のマーケティングにあった。

ウチノ税理士法人

平成14年、北関東で初めて税理士事務所を企業化したのが、宇都宮市にある「ウチノ税理士法人」だ。
個人の資格である税理士や弁護士といった職業はそれまで法人化ができなかったため個人経営が一般的で、 せいぜい共同事務所を作る程度だった。しかしこれでは事業規模の拡大には限界がある。 「ウチノ税理士法人」は内野直忠代表以下三人の税理士とスタッフ20人あまりで栃木県内を中心に 幅広い経営指導サービスを展開する体制を整えている。

内野直忠さんが初めて宇都宮市で税理士事務所を開業したのは昭和49年。 奥さんの地元ではあっても内野事務所には一軒の顧問先もなかった。 「とにかく毎晩飲み歩きました。人脈作りでいろいろな会合に出させてもらったんです。 酒を酌み交わしながら自分の考え方を話し信頼を得ていきました。 自分という商品をどう説明し売っていくか、ビジネスの第一歩はそんな愚直なところにあると思います」 内野さんのこうした考えは70歳を過ぎたいまも変わっていない。

「税理士事務所が新しい顧客を掴むということは既存の税理士から顧客を奪うということになる場合が多い。 私は、これは嫌だなと思いました。全く新しい顧客を開拓する方法はないかと考えたのです。 そこで目をつけたのが農家でした。農業をやめた後の耕作地をどう利用するか考えていた農家を法人化し、 その土地でビジネスを考えている住宅メーカー、ホームセンター、ファミリーレストラン、家電量販店などに紹介していきました。 土地の供給側と需要側双方をつなぎ、両者から喜んでもらったので一挙に顧問先は広がりました」
内野さんが仕事を始めた昭和50年代は東北自動車道や東北新幹線の開通で劇的に街が変化した時代だ。 この戦略は見事に当たり成長期にあったロードサイドビジネスが軒並み顧問先になっていった。
内野さんは「どんなビジネスでも絶えず変化を先取りする勉強が欠かせない」と強調する。
「税理士事務所が単なる『経理工場』になってはだめで顧客の新しいビジネスに的確なアドバイスが下せる情報と 判断力を持ち合わる必要があります。高い志、絶え間無い勉強、頼られる人財、 この三つの『た』を『三たの理念』と私は呼んでいます」
内野さんは「とかく行政の側に立つ傾向がある税理士だが、納税者の側に立つことこそ何より高い志」と語る。
その何よりの証がこれまで国税当局の決定に疑問を持ち、35回も国税不服審判所に申し立てを行い、 そのうち実に34回こちらの主張を認めさせたことにあるという。
普通なら時間と手間がかかる不服申し立てはなるべくなら避けたいと考える税理士が多いかもしれない。 結果として不服ながら泣き寝入りをする納税者が多いとするならば、税理士はどちらの味方だったのかという疑問がおきる。
まさに高い志は税理士業の最大の「顧客満足」に繋がると感じた。
一人の知り合いもいなかった宇都宮の町でいまや「ウチノ税理士法人」は抜群の知名度をもつまでになった。 人とのつながりを大切にすることがおおきな果実をもたらすのである。

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