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テーマ別企業紹介

他社にはないオリジナリティを訴える不動産業

愛知県豊田市にある不動産業ニッポーは地元に次々と話題を提供する元気企業。
起震装置による地震体験会、地元のこども園に花の種をプレゼント。その裏には不動産業は地域密着、地元の繁盛、住みやすい町づくりによって成り立つという考えがある。

株式会社ニッポー

名古屋から名鉄電車に乗りおよそ1時間、愛知県豊田市にちょっと変わった名前の地名がある。「猿投」と書いて「さなげ」と読む。
第十二代景行天皇が伊勢へ行幸した際、可愛がっていた猿が悪戯を重ねた為、その猿を海に投げ捨ててしまった。その猿が鷲取山(現猿投山)に隠れ住んだことから猿投と呼ぶようになったという故事に由来するという説がある。
この地の由緒ある猿投神社の境内に手水舎が2009年末に作られた。
この施工を請け負い、その作業に若手の大工を参加させたのが地元企業ニッポーだ。
ニッポーは豊田市を中心に不動産業、建設業、一級建築士事務所を開き住環境に幅広く関わっているが、宮大工の技術を若い職人にも学ばせ伝統技法の継承をしたいとこの神社の仕事に参加した。

創業から35年、ニッポーのビジネス戦略の基本は徹底的な地域密着だ。
スタッフをはじめ協力業者も地元を中心にネットワークを作り、「建てて終り・売って終り」ではなく、引き渡し後3、6ヶ月、1年、2年という定期点検はもちろん、無料点検隊と称して家庭をまわることでお客の不都合・困り事にすぐに対応する体制を整えており、これが信頼醸成につながっている。

これまでに戸建て分譲実績は700件以上にのぼるが、顧客の注文に合わせて木造・鉄骨造・RC造(鉄筋コンクリート)と様々な建築工法を用い、あらゆるデザインや設備にも対応できるようにしている。
また、最新の情報、技術、デザインを提案できるようにグループ会社の“三井のリハウス(豊田店・岡崎店・日進店)”とも連携を図り、スタッフは1人当たり平均2つ以上の資格(不動産コンサルティング技能者、宅地建物取引主任者、建築士、施工管理技士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター等)を取得している。こうした日頃の努力は2000年に美容室「La Foo」の施工で“第4回とよた景観まちづくり賞:景観デザイン部門「優秀賞」”などの受賞につながった。

さらに、地域の発展を考えた商業施設の誘致に取り組んでいるのも特徴だ。
スーパーやドラッグストア・温泉レジャー施設・コンビニ・飲食店などを誘致し、地主の土地活用はもちろんのこと地域の活性化や街の利便性の向上を目指すことを目標にしてきた。
地域密着の視点はただ単に建物をつくるだけにとどまらず、街の安全性を高めるという点でも活きてくる。日本は地震大国なので耐震基準は勿論のこと、プラス αで制振工法(揺れを軽減し、建物を傷みにくくする。)を標準仕様で採用し、「資料や言葉だけではわからない」というお客のために、建物見学会にて起震装置を使い、実際の木材(柱・梁)で組んだ枠組を揺らし“耐震のみ”と“耐震+制振”の『揺れの違い』を体感できるイベントを開催している。
ここまでやる地域建設会社は珍しく、地元メディアが多数取り上げている。

メディアの注目、という点でいえば、病院・診療所・飲食店など不特定多数の人が集まる場所に“インフルエンザ対策”として「マスク」を無料配布したり、 2009年1月に豊田市が国から環境モデル都市に選定されたこともあり、地球環境を守る活動として「花の種」の無料配布なども話題となった。

地域のために何ができるか、それはただ建設・不動産事業にとどまらない。
社員も住む豊田市を少しでも良くするためにやれることは何でもやろうという若い社員たちのアイデアが行動につながっている。
建設・不動産業にとって冬の時代でも地域を良くしたいという発想があるかぎりやれることはたくさんある。
ニッポーの元気さに学ぶことは多い。

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